日本酒の飲み比べ、6種類をブラインド・ティスティングした話です。
事の発端は、僕の後輩A。
A「井本さ~ん、獺祭、手に入んないっすか~」
と聞いてきた。
この後輩A、ここ数年で日本酒にハマっているのだが、久保田、獺祭、盾野川、といったフルーティー系がお気に入りだ。
ちなみに、ウチにはどれも置いてない。(爆)
A「獺祭がどこもないんですよ~」
(確かに、獺祭は最近、品薄で大変だと聞く。)
私「お前ね、くそ田舎の小さなウチの店に獺祭があると思うか?」
A「確かにそうなんですけど~」
(確かにって、ちょっと失礼なヤツ!)
私「無いなら、違うの飲みゃいいじゃん」
A「いや、僕は純米大吟醸がいいんっすよ」
私「ん?どこの蔵も純米大吟醸は作ってるぞ」
A「あ、そうなんっすか」
(こういう勘違いをする人、けっこういます。)
私「いろいろあるぞ新潟でもいいし、岡山だってあるし」
A「あ、岡山はちょっと・・・」
カッチ~ン!
出た、岡山県民の一部にある妙な地元嫌い。
これを「岡山自虐酒観」という。(爆)
私「お前、岡山の何飲んだの?」
A「えっと、○○とか」
私「おい、それ本醸造じゃねえか?」
A「???」
・・・だめだコイツ。根本的にわかってない。
どうにかせねば。
よし、いっちょ飲み会するか!
と、こんな経緯があり、どうせなら、色々と飲み比べようと、後輩Aの友人や、私の友人も呼び6人で、各自が1本買ってきた酒を比べる事にした。
銘柄を隠し、1位から、6位まで付ける。
ワインなどでよくある「ブラインド・テイスティング」ってやつです。
今回は「純米吟醸」で統一しようとしたのですが・・・集まった酒は以下の6品
- 久保田・紅寿
- 八海山・純米吟醸
- 会津中将・純米吟醸
- 眞稜・純米大吟醸
- 日置桜・純米吟醸「強力」
- 桃の里・純米・本格辛口
だはは!私は、「桃の里」の純米吟醸が持って行きたかったのだが、現在、蔵元が品切れのため、しょうがなく純米に。
でも、桃の里は純米でも香りが強いので、いい勝負になるのではないか?と予想。
んで、お初にお目にかかった後輩Aの友達F君。
F君が持ってきたのが「眞稜」(しんりょう)
これ、私は知らなくて。
新潟は佐渡島のお酒だそうです。
っつうか、大吟醸って反則じゃね?(笑)
純米吟醸でって事前に言ったじゃん!
私は純米だけど(笑)
飲み比べするのなら、ホントは、同じ形の盃がいいです。(苦笑)
さあさあ!
自称、日本酒ツウの後輩A君、いってみよ!
後輩A「オレ、久保田は解りますよ。けっこう飲んだんで。」
はいはい。いいから飲みなさい。
後輩A「あ、これウマーイ!・・・あ、これ多分」
(うるさい後輩です。)
しかし3番目あたりから、
後輩A「ちょっと、さっきの戻ってもいいですか?」
どうぞどうぞ。
A君が、だんだん悩み始めました。
6番目を終えたころには、
後輩A「・・・」
黙っちゃったよ(笑)
そして悩んで叫ぶ。
後輩A「ぜんっぜん、わかんねえ!」
わかんなくして飲むから、ブラインドの意味があんの!
後輩A「久保田わからーん!」
私「だから!久保田を探せ、じゃねえんだっての!」
やかましい後輩は放っておいて、
私も飲む。
・・・やべぇ、私もわかんねぇ。(爆)
まあしかし、どれも旨いです!
これに順位を付けるのは難しい!!
もうほんと、紙一重!
どれが一位でも、おかしくない。
言うならば、ピンクレディーのミーちゃんとケイちゃん、どっち好き?
っていうなら考えやすいですが
マナカナどっち好き?
って聞かれるぐらい、微妙な差です。(笑)
さてさて、6人全員、うんうん悩みながらランキングを付け、銘柄合わせです!
6人それぞれ書くと面倒なので、省きます。
とりあえず後輩A!順位はこちら!
- 1位:桃の里・純米・本格辛口
- 2位:会津中将・純米吟醸
- 3位:久保田・紅寿
- 4位:眞稜・純米大吟醸
- 5位:八海山・純米吟醸
- 6位:日置桜・純米吟醸「強力」
後輩A「ううっそ!」
がはは!かかったな!たわけ!
これ、実は、予想していた通りです。
飲み比べをすると、濃醇なタイプ(酸味も甘味もあるタイプ)このタイプは強いんです。
甘味は、旨味と直結しますし、濃厚な味わいが強い。
まったく、ミーハーな後輩くん、わかったかね!岡山の酒もあなどれないんだぞ!
6人全員のランキングを総合すると・・・
- 1位:会津中将・純米吟醸
- 2位:桃の里・純米・本格辛口
- 3位:眞稜・純米大吟醸
- 4位:久保田・紅寿
- 5位:日置桜・純米吟醸強力
- 6位:八海山・純米吟醸
福島の会津中将が全員、1位か2位に入っていました。
そして桃の里、純米酒のくせに強え(笑)
ちなみに、私のランキングはこうでした。
- 1位:眞稜
- 2位:会津中将
- 3位:桃の里
- 4位:久保田
- 5位:日置桜
- 6位:八海山
ありゃ!ひ、日置が・・・
僕は日置桜のような、しっかりした日本酒が大好きなので、日置が一番だろうと思っていたのですが、こうなりました。
そして一位を付けていた眞稜!こいつ好きです。
ぜったい店に入れてやろ。(笑)
これを持ってきた後輩の友人F君、やりますねぇ。
なかなか面白かった日本酒のブラインド・テイスティング。
これで、後輩Aも、少しはわかってくれたでしょう。
A「わかりましたよ。これからは桃の里っすね!」
私「そうじゃねえよ!」
偏見無くいろいろ飲めって言いたいの!このバカチンが!
いやもう、私のおバカな後輩は放っておきましょう。
今回言いたかったのが何が一番ウマイ、とかじゃなくて基本、旨い酒ってのは、差が微妙で思い込みの要素も強いんだよって事でした。
だから、一位の会津中将が一番うまいって事でもなく、6位の八海山が逆にまずいってワケでもないです。
季節によって、はまる味わいもありますし
(夏はスッキリ系が、冬はコッテリ系が)
飲む時の温度でも、順位は変わると思います。
(ガンガンに冷やすとキレのある八海山が順位上がりそう)
星の数ほどある日本酒、ぜひ色々飲んで下さい!
どの県にも、知られていない名酒の一つや二つ、あります!
まずは、自分の住んでいるトコの地酒を探して欲しいと思います。
いやしかし、ランキングなんて意味ない、と言いながら、私の大好きな日置が負けたのが悔やまれる。
むむむ。
悔しくて寝れーん!