男は黙って辛口!。
いや、もはや現代は女性の方が辛口派かも。
今日は「辛口」または「超辛口」オンリーで、おすすめの日本酒をまとめておこうと思います。
少しマニアックかも。
天邪鬼なトコがあり、メジャーな蔵はあまり飲んでません。(苦笑)
いい意味で珍しいね!と捉えてもらえれば幸いです。
その前に、日本酒の辛口について
日本酒の辛口、または超辛口って、曖昧だよなぁと思います。
そもそも日本酒に辛味成分は無いので、何をもって辛口とするのか?
僕が勝手に考える日本酒の「辛さ」は二通りあると思います。
・塩っ辛さ
・キレの良さ
この二つだと思います。
塩っ辛い、に近い味わいの辛さ。(厳密には塩辛いわけじゃないがニュアンスとして)
もう一つがキレの良さ、というわけです。
とりあえず、おすすめ行きます!
辛口の選び方や見方は、後にして、それではこの2つに注目して、今まで飲んできた中からガンガン挙げてみます!
付いてる番号はランキングではなく、思い出した順です。
ではでは!辛口の日本酒・おすすめはコレ!
目次
生もと純米 超辛口 原酒 鬼斬
鬼斬りについて
「鬼斬」なんて読むの?という感じですが、読み方は「おにぎり」と、読んでいいと思います。
奈良県にある春鹿という蔵が造ってる超辛口の日本酒。
濃厚辛口!
なんか辛口の酒が飲みてぇんだよな~、と思った時、その頭に描いた味わいに一番近いのではないか?と思います。
シャキーン!とキレが良くて、酸味と苦味もほどよく濃厚。
原料米 五百万石|日本酒度 +13|アルコール度 18.0~18.9
鬼斬:おすすめの飲み方
冷や、常温、ぬる燗、熱燗、どの温度でも楽しめると思います。
日本酒初心者の方へ解説すると、基本は全てストレートです。
アルコールがきつい、と感じたら1合(徳利1本)に、お猪口一杯の水を入れてみると、少し優しくなります。できれば軟水のミネラルウォーターで。
播州一献 超辛口 生
播州一献について
兵庫県の山陽盃酒造が造る銘柄の中に播州一献というシリーズがあります。
その中でも要注目が「播州一献・超辛口」。
味わい
この酒は、先ほど言った「キレ」がすんごい。
もうキレッキレ。
この日本酒でよく使われる「キレ」ってのは、日本酒を飲まない人には、なんとも説明ずらいですよね(苦笑)
火入れと生があります
この播州一献の超辛口には、通常の火入れバージョンと、生タイプがあります。
生は期間限定だったと思うので、あったりなかったりです。
もしあれば、生のほうが、その「キレの良さ」がさらに増します。
使用米:兵庫北錦|精米歩合:65%|アルコール度:18度|日本酒度 +15.0
播州一献 超辛口の飲み方
生の場合は、必然的に冷やか常温です。
火入れ(通常品)の場合、おすすめは冷やか、熱燗。
そう、両極端な温度のほうが面白いです。この酒に限っては。
特別純米酒 超辛口住吉
知る人ぞ知る住吉
え~、ちょいと昔、毎日の晩酌がこれでした。
山形県の樽平酒造さんが造る「住吉・超辛口」。
おじさんの僕より、さらに上の世代(おじいちゃん世代?)から人気だったそうです。
味わい
ガツン!と辛味、苦味、酸味が来ます。
今風の日本酒には無い荒々しさがあります。
ラベルがほんと昭和感あるんですが(笑)・・・辛口好きは一度飲んでほしい酒です。
使用米:コシヒカリ|精米歩合:60%|アルコール度:15.5度|日本酒度 +10
住吉 超辛口の飲み方
この住吉の場合、好みの飲み方が分かれるかも。
冷や、常温、ぬる燗、熱燗と試してみて下さい。
僕は熱燗が好きですが、冷やが好きって人、常温が好きって人の意見も解ります。
純米大辛口 水神
万人受けする水神
先程の「住吉」がちょいと玄人好みだとすると、この「水神」は初心者にもおすすめできる逸品。
こいつの魅力は解りやすいです。
旨い!
辛い!
安い!
贈り物にもグーです。
ラベルのデザインもかっちょええ。
辛口なんですが、バランスの整った辛さです。なので飲みやすい。
一升瓶で2千円ちょっと、という、きっちり造った純米酒では破格の値段です。
造ってるのは岩手県のあさ開酒造、この蔵、辛口の水神も旨いんですが、真逆の甘口で「夢灯り」という銘柄もあります。
辛口も甘口も旨いなんて、まっ!優秀!
精米歩合:70%|アルコール度:16度から17度|日本酒度 +10
水神の飲み方
水神は、味わいとしてはスマートで口当たりもサラサラなので、かるく冷やすのが一番かと思います。
僕はあまり燗向きの酒だとは思いませんでした。
三千盛 純米
辛口と言えば三千盛
岐阜県多治見市にある「三千盛酒造」なんですが、蔵自体が辛口にこだわってる稀有な蔵です。
辛口好きとすりゃ、ここに足を向けて寝れません。(笑)
酒蔵としては、かなり老舗。
創業が安永(1772~1781年)らしいので200年超えです!
まずは純米。
ここの蔵はどの銘柄も辛口なので、のき並み試して欲しい所ですが、まずは純米から。
一番オーソドックスなこれから始めて、口に合えば次は「純米ドライ」(日本酒度+18!)と、おすすめします。
精米歩合:45%|アルコール度:15度から16度|日本酒度 +12
※三千盛純米って、さりげなく大吟醸なんっすよね。大吟で一升3千円は、すんげえ安い。
三千盛・純米の飲み方
大吟醸なので冷やか?と思われがちですが、フルーティーさで勝負しているタイプでもないので、冷やから熱燗まで、色々な温度で楽しんでOKだと思います。
個人的には常温が好き。
春鹿 超辛口
かぶりましたが・・・
春鹿酒造の純米酒、超辛口!!
思い出した物から書いてるワケですが、ありゃりゃ、一発目の「鬼斬」とかぶりました。
「鬼斬」も春鹿です。正式な会社名は「今西清兵衛商店」。
味わい
鬼斬に比べると、こちらのほうが味わいは深いです。
それは荒々しさとも言え、スマートな完成度なら鬼斬のほうが上かも。
とりあえず、僕はどちらも大好きです。(笑)
使用米:五百万石|精米歩合:60%|アルコール度:15度|日本酒度 +12
春鹿 超辛口の飲み方
熱燗にすると、けっこうアルコール感が強くなります。
そこがまたいい!という方は熱燗なんですが、一般的には冷やか常温がおすすめです。
鷹勇 超辛口純米
こいつはホントに辛口。
辛口慣れしてる僕が「辛えな!」と思った、鷹勇の超辛口純米。
口当たりが硬めで、ガッ!と辛さが来ます。
鷹勇について
鷹勇は鳥取県にあります。鳥取は酒蔵の数は少ないものの、いい蔵が多い!
砂丘に行ったら、土産はらっきょうじゃなくて、日本酒ですよ日本酒!(笑)
使用米:山田錦・玉栄|精米歩合:50%|アルコール度:15.4度|日本酒度 +10
鷹勇 超辛口純米の飲み方
口当たりの硬さが特徴でもあるので、冷やが一番おすすめ。
温度別によって、味わいが変わる酒と変わらない酒があるのですが、鷹勇は「あまり変わらない」方です。
なので、ある意味、どの温度でもOK!とも言えます。
すっぴん るみ子の酒 無濾過あらばしり純米生原酒
るみ子の酒について
日本酒と言ったら、名前やラベルは男っぽい、ハッキリ言うとオッサン臭い物ばかりですが、その中で異彩を放つ「るみ子の酒」。
三重県の森喜酒造場という所が造ってます。
「るみ子」とは、麹造り責任者、森喜るみ子さんの事です。
旦那さんの森喜英樹さんが杜氏さん、だったと思います。
味わい
ネーミングやラベルから、優しい味の美味しい日本酒かしら?なんて思うなかれ!
ここの蔵は、基本、辛口ですだ!
味わいも太く、勇ましい。
普通の火入れタイプの純米酒も辛口で美味しいのですが、無濾過生原酒がおすすめ。
普通の純米もいいけれど
火入れタイプは、こんな感じ。これも旨い。
昨今、無濾過生原酒が大流行なんですが、実のところ、同じ銘柄で飲み比べると生原酒より、普通の火入れタイプのほうが美味しい蔵が多いです。
そんな中、ここまで無濾過生原酒のレベルが高い蔵も貴重なので、今回は生原酒の方をおすすめ。
ろ過してないので「すっぴん」とネーミングされてます。
使用米:阿波産山田錦|精米歩合:60%|アルコール度:18度|日本酒度 +7
すっぴんるみ子の酒 飲み方
生原酒ですので、基本は燗にしません。
また原酒でアルコール度数も高いので、冷やがおすすめです。
ガツン!とアルコールを感じたい!って方は、常温で。(笑)
日置桜 純米酒
鳥取からもう一本!
先ほど鳥取の鷹勇を出しましたが、もう一つだけ鳥取から。
日置桜の純米酒。
9号酵母と7号酵母があります。
普通に売られてる日置桜の純米酒は9号酵母です。その裏メニューとも言える品で7号酵母というのもあります。
9号と7号
見た目は通常の9号酵母とほぼ一緒です。お気をつけを。
通販の場合は「7号酵母」と必ず書かれてます。何も書かれてなければ9号酵母です。
お店で買う場合は店員さんに聞いてみましょう!
味わい
さて、日置桜ですが基本、どちらも辛口で旨いです。
9号酵母は辛口でコクが深い味わい。
7号酵母は、苦味が強く個性が一際あります。
考えさせられる酒
これを飲んでると「旨い日本酒ってなんだろう?」とよく思います。
香りがフルーティーなわけでもなく、旨味や甘味とも違います。
しかし、世界観はほんと奥深くて。
じっくり、ゆっくり、楽しんで欲しい一本かなと、思います。
使用米:山田錦&日本晴|精米歩合:65%|アルコール度:15度から16度|日本酒度 +11
日置桜・純米酒の飲み方
この酒以外もそうなんですが、日置の酒は燗上がりする酒が多いです。
燗上がり、つまり燗にすると旨さが上がるという意味です。
ぜひとも冷や、常温、ぬる燗、熱燗と色んな温度で試してみていただきたい!
無手無冠 鬼辛 生原酒
無手無冠について
四国は高知、四万十川の近くにある無手無冠酒造の鬼辛。
無手無冠(むてむか)って聞いたことない方、「ダバダ火振り」って栗焼酎は聞いた事あるんじゃないでしょうか!
あの栗焼酎、四国だったんです。
僕は逆に、無手無冠の日本酒は知ってて、ダバダ火振を知りませんでした。
昔、ぜんぜん焼酎に興味なかったもんで。(苦笑)
鬼辛について
そんな無手無冠の鬼辛ですが、名前に「鬼辛」と付けるだけあって、辛口です。
ですが、最初の口当たりはまろやか。
その後に辛口がどどどー!っと押し寄せます。
味わい太くて、素朴で辛口。もうね、おっさんが好きになる傾向のど真ん中です。(笑)
原料:ヒノヒカリ・風鳴子・醸造アルコール|精米歩合:70%|アルコール度:20度から21度|日本酒度 +15
鬼辛の飲み方
生原酒なので、基本的に「冷や」での飲み方になります。
「ほんのり冷やす」か「ギンギンに冷やす」かで好みが分かれる所ですが、この酒の場合、僕の好みはギンギンに冷やす方です。
ほんのり派は野菜室へ、ギンギン派は普通の冷蔵室で保管して下さい。
とりあえず以上!
また思い出したり、新たな逸品に出会ったら追記していきます。
ついでに、辛口で旨い酒の探し方も書いてみます。
辛口で旨い酒の探し方
全国に何万とある日本酒です。
なかなか自分の思い描いた味に出会わない!という方も多いとは思います。
酒屋時代の経験も思い出しながら、探す時に注意する事を書いてみます。
日本酒度は参考程度に。
辛口かどうか、飲む前に解りやすいのが「日本酒度」です。
+(プラス)になれば辛口、ー(マイナス)になれば甘口です。
なんですが!、これ、参考程度で良いと思います。
+8より+10のほうが辛いか?と言われれば、そういうモンでもなく。
酸味とか苦味とか、あと口当たりなど総合的な物で辛さが変わるので、ほんと参考程度に。
あんまりここの数値を追っかけると、+7、+8あたりの旨いヤツを見逃しちゃうんです。
アルコール度数も意外に関係あり。
日本酒度をチェックする人は多いのですが、アルコール度数をチェックする人は稀な気がします。
やっぱり、度数が高いほうが辛口に感じます。
ガツン!と来る辛口なら、18度以上を、スッキリした辛口なら15度あたりを狙うと、思い描いた味に近いと思います。
ただし、先に挙げた鷹勇、日置桜なんかは数値以上に辛口感があるので、このあたりも参考程度に。
口当たりは好みが出ますよ!
長年、酒屋でお客さんを相手にしてると「そういう事か!」と解かった点が一つ。
酒の旨い、まずいには好みもありますが、その好みって「味」というより「口当たり」かも!と思いました。
例えば、新潟の酒が好きな人は「やや硬め、サラサラ」が好きなタイプ。このタイプは同じようなサラサラした秋田や島根の酒が合う事が多かった。
逆に山形や鳥取なんかは「ゴツゴツ」した感じの口当たりが多いんです。この手のタイプに新潟の酒を勧めると意外に響かなかったり。
自分の好きな酒を「口当たり」という方向から眺めてみると、好みの傾向が見えてきて、雑誌やWEBで似たタイプを探しやすいのではないか?と思います。
ただ、同じ県でも北の方と南の方では大きく違ったりするので、これも参考程度に。
辛さは年によっても違います。
最後に。
月桂冠や黄桜、または獺祭や久保田といった大手酒造メーカーは、辛さや味が均一なんですが、蔵が小さくなればなるほど、変化も激しいです。
ワインで、当たり年だなんだという話題がありますが、あれに近いものが日本酒にもあります。
あれ?前より辛くない!とか、味変わった?なんて事は日常茶飯事ですので、大目に見ていただければと思います。
まあ、細かいことは気にせずに!
男は黙って辛口!
もとい!
男も女も黙って辛口!
(笑)
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