安くて旨いってんで、20年前ぐらいからチリワインは人気です。
雑誌でもよく特集組まれてますし、スーパーやデパートでも多くのチリワインを見かけますよね。
それでも、僕的には「ワインを始めるなら、チリはあんま勧めない」って思ってるもんで、そのへんを今日は書いてみます。
なぜチリ・ワインを勧めないか?
近年はチリだけでなく、アルゼンチンとかオーストラリア、南アフリカなども人気。
このへんのワイン新興国をまとめて「ニューワールド・ワイン」と呼ばれたりします。
「NEW(ニュー)」と言われるが、歴史が浅いわけでもなく、それぞれ百年ぐらいの歴史や伝統はあったりするので、日本とは比べもんになりまへん。
ただ、ヨーロッパの歴史に比べると、そりゃもう、あのイエス・キリストが飲んでるぐらいなんで、それに比べれば他の国は「ワイン新興国」になるわけです。
こう書くと、やはり歴史だとか伝統の話に思われそうですが、そこは別に勧めない理由とは関係なくて。
ひとことで言うと、パワーがありすぎる!って事なんです。
チリワインの強いパワーが逆効果
チリの赤ワインに使われてるブドウ品種は「カベルネ・ソーヴィニヨン」っつうブドウが使われてます。
ワインに使われるブドウの中では、渋味とアルコール感が強く出る品種です。
パワーがある品種なんですが、中でもチリワインのカベルネはさらにパワーが強い。
もうね、筋肉ムキムキ、マッチョなんっすわ。
それは値段に関係なく、高いのじゃなくても、安いのでもマッチョ。
なので、チリワインは適当に安いのを選んでも、そこそこ飲めるんです。
パワーがある分、テロワールは掴みにくい
ここが、けっこう僕が問題視してるとこです。
パワーがあるんで、旨いっちゃ旨いんですが、テロワールは掴みにくいかなと思います。
テロワールというのは、滋味というか、そのワインにしかない独特の風味や個性だと思って下さい。
それで、ワインの面白さってのが、この「テロワール」に全てかかってると言ってもいいぐらいです。
そうなると、ワインにあまり詳しくない人が、チリワインからワインの世界に入っちゃうと、遠回りになるんじゃねえか?と思うわけです。
違う世界の例えをすると・・・
クラシックに慣れさせよう!と思って、J-POPのクラシック・カバーを聞かせる感じでしょうか。
クラシック好きから見ると「それ、遠回りじゃね?」って感じに思いません?
まあ、僕はクラシックの世界には「スターウォーズのテーマ」から入った口ですけどね!(爆)
コスパはチリワイン最強!
フランスやイタリアのワインだと、千円ぐらいの物を買うと当たり外れがひどいです。(苦笑)
まれに飲むのを苦痛に感じるほど、まずいワインに出会います。
それに比べると、チリ・ワインは大外れが無いです。
コスト・パフォーマンスで言うと、チリワインが最強かな!とも思います。
・・・ですが!僕の主観も入るのですが、飛びぬけて「旨いっ!」と思わせるワインは少ないかもしれない。
個性的なチリワインを見つけるのは難しい
今ではコスノル、サンライズ、などどこでも見かけるし、「安くて旨いワイン」というキーワードで検索すれば、チリワインがいっぱい出てきます。
ただ、ん~、なんというか、チリワインって旨いというより、「不味くない」という感じ多いです。
一塁ヒット。めったにホームランが無いって感じ。
フランスやイタリアの安いワインだと、たまに「ホームラン」がいます。
そんな感じで、無難に飲めるのを探す時は、チリワインは狙い目だと思います。
安くても、常にホームランを狙いたい私としては、チリワイン、あまりオススメしてないです。(笑)
すっごい旨いチリワインも、もちろんあります!これは、あくまで全体的な話。
これからワインを始めるなら
これからワインを始めよう、ワインに詳しくなりたい!って人は、やはりヨーロッパのフランス、イタリア、スペインあたりをおすすめします。
この3国なら、国内だけで覚えきれないほど、地域ごとに特徴があります。
ボルドーとブルゴーニュは別物ですし(フランスの話)
っつうか、ボルドーでも右岸と左岸で特徴は違うし(フランスの話)
っつうか、左岸でもメドックとグラーヴは別モンやし(フランスの話)
待て待て、それならオーメドックとメドックは別もんやで!(フランスの話)
・・・いかん。ボルドー好きの血が騒ぐ。
ま、こんな感じで、ヨーロッパ・ワインのほうが探求できます。
逆に、なんとなくワインを飲みたい、スーパーやコンビニで適当に買う場合は、コスパが良くて当たり外れが無いチリワインでもいいかな、と思います。
こんな感じで、探求したい人はヨーロッパ、適当に飲みたい人はチリ、ってのが僕が思う所です。
それに、けっこうワインに詳しくなってきた所で、チリのワインに手を出せば、また違う世界が見えるんじゃねえか?とか思う次第です。
なにかの参考になれば。