さて、僕は酒屋を数年前まで営んでました。
そこを活用して、何か酒好きの人のためになる記事を書けないか?と。
そこで今日は、こんな事を書いてみます。
目次
いい酒屋と悪い酒屋の見分け方
良い酒を置いてる酒屋を知ってれば、便利ですよね。
今日は、良い酒屋と悪い酒屋の見分け方!ってのを書いてみます。
これは一般の酒屋だけじゃないです。
日本酒専門店でもワインショップでも見るべき所は同じです。
家の近くはスーパーしか無いわー!って方は、スーパーの酒売り場を見る時の参考に。
酒屋には朝イチで行け!
おめ、何言ってんだべ、って感じですが(笑)
朝イチ、つまり開店直後に行くと、今まで解らなかった部分が見えてきます。
午前中は品出しの時間
一般の酒屋であれば、午前中に品出しや商品補充をします。
酒屋って、売れるのは夕方から夜ですから、混む時間に品出しはしません。
また、店閉めてから補充、ってのもあまりしません。(そんなんしてたら、毎日残業やん)
と、言うことは、開店直後というのは前日の売れた状態そのままです。
減ってる所が売れたところです。
回転してる商品ってのは人気商品ですし、ワインならば回転している商品のほうが、新鮮な可能性が高い。
冷蔵機器は見せかけか?!
今の酒屋さんって、日本酒用の冷ケースやワインセラーがあります。
店舗自体がワインカーヴ(セラー室)になってるワインショップもあるでしょう。
その冷蔵設備は夜も動いていたのか?
これも開店直後に行けば解ります。
ワインセラーの場合は、12度から18度ぐらいが正常の範囲。
これ、夏ならば「ちょっと涼しい」。
真冬なら「ちょっと暖かい」。
めったに無い事ですが、閉店時は電源を落としている店舗も、中にはあります。
それ、逆に電気代かかるんじゃね?
って思うんですが、そんな見せかけの店舗、無いことは無い。
赤ワインの保存方法の記事で書きましたが、温度変化が激しいと品質にダメージが大。
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【赤ワインの保存方法】セラー、常温、冷蔵庫、結局どれよ?って話
そこそこワインに詳しくて、以前に酒屋をやってた僕なので、ワインについて一番聞かれる事は ...
午前中は店長がいる可能性、高し。
午前中って、店長とか上の人間がいる可能性が高いです。
なんかちょっと込み入った質問してみて下さい。
人のいい店長さんなら、出てきて、きっと色々教えてくれるはず。
そんな店長のいる店は、きっといい店。
「美味しい酒ください!」
ではダメですよ!(笑)
またマニアックな銘柄出して、ツウを気取るのもダメです。
「○○って酒、置いてますか?」
この会話の出だし、あきまへん。
実のところ、僕が酒屋をやってる時も、この手の質問多かったです。
聞く方の悪気は無いと思います。
でも店側としたら「見りゃ、わかんだろ。」と思わなくは・・・ない!(苦笑)
だってねえ、ニトリぐらい広ければ、聞く意味もわかりますが。
実は奥の倉庫に?・・・無い無い!(笑)
例えば日本酒の銘柄って、全国で一万から二万あります。
その中から、100か200が店に並ぶわけです。
自分が好きな銘柄なんて、なくて当たり前。
だから、店にない銘柄を話題に出しても、あまり話は広がらないです。
「ぬる燗で、おいしい酒を探してるんですが」
「ボルドーの白で濃厚なタイプがいいのですが」
みたいな聞き方、ベストです!
あ、これ、酒場のバーでも同じです。
○○ってウイスキー置いてる?みたいな聞き方は、あまり店ウケしません。
話は少し脱線しましたが・・・
- その店の売れ筋がわかる
- 冷蔵機器などのハード面がわかる
- 店長がいるかも
こんな事から、いつも行く夕方や夜ではなく、たまには朝イチに行くのも意味があります。
その他、見るべき点で細かいですが、こんな所もあります。
スクリューキャップが寝かされてないか?
主にワインになりますが、コルクに変わって鉄のスクリューキャップは多くなりました。
これが、コルクもスクリューも、一緒くたに寝かされている店はけっこうあります!
これは、僕、嫌いです!(怒)
これに比べりゃ、ワインセラーとか、ハード設備って無くてもいいんですよ。
設置するのに金かかりますしね。
でも「スクリューキャップは立てて置く」って、簡単な事じゃないですか!
些細なことに見えますが、金属の香りって、ワインにめっちゃ移ります。
ここを見逃す店主がいるような店、酒に愛情は無いと思うんですよね!
できればLEDの店。
「やっぱり、これからは企業も環境を考えないとね!」
みたいな、意識高い系の話ではなくて。(笑)
蛍光灯の光って、思ったより酒を劣化させるんです。
LEDの場合、紫外線が蛍光灯の1/100ぐらいなんで、全然マシ。
同じ理由で、薄暗い店、ある部分が照明が点いてない店ってのは、酒に気を使ってる可能性あります。
ホコリを被った商品、僕は意外に気にしない。
街の小さな酒屋であっても、デパートの酒売り場であっても、同じです。
酒瓶って、意外にホコリかぶってません?(苦笑)
これ、働いてたからよく解るんですが、なぜか!酒瓶ってホコリがめっちゃ付く!
一週間ぐらいで、うっすら付きます。
掃除がなってない!と怒られるかもしれませんが、僕はまあ仕方ないよね、と思います。
大陳された商品より、通常棚を。
酒屋でも、ワインショップでも、小売業の基本ディスプレイは皆同じです。
通常棚があって、特集ブースと山積み商品。
これを山のように陳列するから「山陳(ヤマチン)」、または「島陳(シマチン)」なんて呼ばれます。
ついつい手にとってしまいますが、ヤマチン、シマチンの商品は基本、おすすめ品では無いです。
店のおすすめ=旨い酒、では無い。
貼られているPOP(商品説明)には「当店おすすめ!」とか書かれてると思います。
実店舗でもネットショップでも、「おすすめ」というのは「売りたい商品」です。
味とは関係無いです。
どちらかと言うと、通常棚で売られてる商品のほうがおすすめ。
通常棚ってのは、その店で生き残ってる商品です。
どちらが旨い可能性があるか?って考えると、通常棚のほうですよね。
最終的には、3本買って1本当たれば、いいお店。
色々と書きましたが、最終的には旨ければオッケーてのも真理。
(笑)
3本ぐらい知らない銘柄を買って、1本当りが出れば、その店はいい店です。
「当たり」というのは、「こりゃウメー!」と思える酒です。
「自分の好みとドンピシャ!」ってのでもいいですし。
「あたい、こんなの初めて!」でもいいわけです。
とにかく旨けりゃ。
3本中3本は無理
3本買って3本旨ければいいのですが、これは無理だと思います。
なぜって、酒の味って変わるから。
真面目な店は、テイスティングして良質な酒を置いてるはず。
でも、毎年、というか数ヶ月単位で日本酒やワインって変わります。
小さな店でも300アイテムぐらいはあるでしょう。
それを一年ごとに確認できるか?できましぇん!(苦笑)
そこを踏まえると、3本買って1本旨けりゃ、優秀な店、というわけです。
以上、元酒屋店主が、酒屋の選び方を書いてみました。
参考になるのかぁ・・・